泣き言 in ライトノベル

ライトノベルの感想を真面目に不真面目に書きなぐるサイト

あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね

ダークホースでした。

 「好きな男の子の心拍に合わせてスマホが震えるの最高」
全国模試1位、高校生ながらその腕で荒稼ぎしている凄腕プログラマー。けど人間嫌いで誰とも喋らない久城紅は、隣の席の宮代空也が大好きだった。初めての感情に戸惑う紅は、その高い技術で空也の情報を集めることが趣味になっていた。集めた情報をもとに十日に一回、空也に話しかけるせつない日々。しかし空也は“人の感情が色で見える”という特殊能力の持ち主で、紅のひそかな好意に気づいており――! 気持ちが言えないハイスぺ女子×恋に不信な特殊能力男子のすれ違いラブコメ

 このラノの季節が近づいてきており、キンドルのアプリやまとめリストをぼんやりと眺めつつ、さてどうするかと悩んでいるところに飛び込んできた快作です。

 本作を一言でまとめるならば、ヤンデレストーカー大戦となるでしょう。かの有名なライトノベルであるところのSAOでアスナさんが主人公キリトくんの心拍数を把握できるアプリを入れてニヤニヤしていることが話題になりましたが、今回のヒロインはそんなアスナさんが微笑ましく見えるほどストーカーです。

 ありとあらゆるものを駆使して主人公のことなら何でも知りたいと情報収集に励むその姿はまさしくストーカーの極み。その上で僕がきちんと評価したいのは、その愛は全て主人公の方を向いているということだと思う。

 例えば、主人公を良いなと思っている女の子が積極的にアピールする姿を見て、素直に凄いと言えるその姿勢を、何かがあったとき素直に自分が解決しなければならないではなく、問題の解決のために最短ルートを模索、選択できる姿勢こそが一番素晴らしいと思いました。

 これを恋とかラブコメというのは正直難しい気はするんですが、まさしくこれは愛の物語であると僕は思いました。

 冒頭の一文である「醜い恋だと、わかっています。だけど神様、それでもわたしはどうしても――あの人がほしい。」これこそがこの小説の全てだと思います。凄く好きです。

 

ノシ