泣き言 in ライトノベル

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わたし、二番目の彼女でいいから。 #西条陽 #Re岳

はいやーばい! やばいやばいやばい!

「ねえ、私たちで桐島くんを共有するの、ダメかな……?」

 俺は今、橘さんと付き合いながら、早坂さんとも付き合っている。
 共有のルール。それは互いに抜け駆けしないこと。「一番目」になれない方が傷つくなら、それは優しい関係とすら言えるだろう。
 たとえそれが、歪で、甘美な延命措置に過ぎないとしても。

 だけど……。

 二番目でよかったはずなのに。
 それでも一番目になりたくて。

 互いにエスカレートする好意と行為。
 その果てに、俺らの関係はやがて軋みを上げ始め……。

 もがいて、すがりついて、大事だった何かを摩耗させながら。

 どこまでも深みに堕ちていく。

 これ、作者は『「肉を切らせて骨を断つ」みたいなつもりだけど、これ骨も切られてるよね?』みたいなことをあとがきで書いていたけど、骨どころか腕すら切られてるよこれ。ホンマ、それくらいえぐいことやってる。

 今作はもういわゆるタイトルと内容が一致しない(二人とも二番目では納得しない)作品になっているのだが、面白さが削がれていっているどころか加速していってるのがやばいよね、マジで。作者は人の心がないと本気で思うし、あったとしても俺は信じない。

 端的に言えば共有という選択肢を取った二人がいかに「共有って無理だわ」って理解するのが今回の流れと言ってもいいでしょう。三人仲良くしているように見せて、とんでもねぇことしてるんだけど、それを冷静に突っ込んでくれる人が浜波しかいないので地獄が加速している。

 恋は人を狂わせるというのがよく分かる作品です。それが好きなんですが。やっぱり続きが気になるので毎秒新刊出して……