泣き言 in ライトノベル

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友達の妹が俺にだけウザい5

本当にこういう一文を楽しむためにラノベを読んでいるんだな、思えるような素晴らしい巻だったと思います。

メンバー間で秘密がバレたりバレなかったり明照がウザかわ彩羽についての認識を少し改めたりと、恋と友情に揺れ動く「5階同盟」に、新たな騒動が巻き起こる。
「キミら、ちゃんと恋人関係をやれてるのかい?」
月ノ森社長、襲来。痛いところを突かれて危機に陥った「5階同盟」を救うべく、明照は真白と結託し、ニセ恋人関係をアピールするための夏祭りデートの計画を練りはじめる。しかし、もちろん彩羽がその動きを黙って見ているはずもなく――?
打ち上げ花火、誰と見る? 人気爆発のいちゃウザ青春ラブコメ、恋の嵐が吹き荒れる第5巻!

 猿とタイプライターじゃないですけど、こうしたきちんとテキスト上の盛り上がりとリンクさせて挿絵を指定するのって一見当たり前のように見えてそういった基本的なことができていない作品も意外と多いと思うんですよ。こうした作品上の盛り上がりは必ず意図的なものであると思います。

 僕は小説家という職業は物語を書くだけの仕事とは最近全く思えなくなってきているんですよね。もちろん、自分の職業柄という線は否定しないんですけど、小説家は単に小説を完成させるチームの一人でしかないという何だろう、そういった漠然とした枠組みがぼんやりと浮かんでいるというのが本音です。

 『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?』で八谷屋夜弥が語っていたような小説家だからといって宣伝に参加しないのは小説家であることを放棄している、と同様のことで完成した状態の小説が、読者にどう見られて、どういう風に思われて、どういう理由で手に取られるかを想像しないことは、全く同義として考えられるのかもしれないと思った次第です。

 端的に言うと、花火の演出凄く良かったなぁって思いました。まる。