泣き言 in ライトノベル

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〆切前は百合が捗る

平坂読の小説って感じ

 個人的には購入当初から危惧していた、平坂読が自分の求めている百合を書いてくれるのか問題がもろに直撃したという印象です。とはいえ、だから詰まらないというわけではないのでそこは大丈夫です。

「〆切直前に遊ぶゲームって、なんでこんなに楽しいのかしら……」
家出少女の白川愛結は、従姉妹の白川京の紹介で、人気作家、海老ヒカリの世話係&監視役のバイトをすることになる。
原稿をサボってゲームをしたり釣りや旅行に出かけるヒカリに翻弄されながらも、そんな日常に幸せを感じる愛結。
一方ヒカリも、突然始まった愛結との同居生活の中で、これまで感じたことのない気持ちが芽生えるのだった。
社会から排斥された少女と、容姿才能家柄すべてに恵まれながらも自堕落に生きる小説家、二人の関係の行き着く先は……?
“普通”に生きにくいすべての人に贈る、珠玉の日常系ガールズラブコメディ、誕生。 

 個人的には平坂読の作品は「僕は友達が少ない」「妹さえいればいい」を読んだだけなのでマイスターと名乗るにはおこがましい、初学者なわけです。ただ、自分が感じ取っている平坂読の作風は生きづらい世の中でどう生きるか、というのが根底にあるんじゃないと考えていて、今作もその上に作られていると思いました。

 今作においては同性愛者であることが割ときちんと描写されていて、同性愛者であることを踏まえての物語が展開されている。ここに関してが自分の感じたもっとも大きな不満点である。僕が定義するラブコメというのは、貴方でなければならない、というのが非常に重要なファクターであると前提にあって、そこに同性愛者であるとか、異性愛者であるとか、そういうのは全く関係ない。

 どころか、同性愛者であることが明言されてしまうとそういった唯一性が損なわれてしまうような印象を受けてしまうわけだ。ただまあ、あくまでこれは自分の感性であり、主観であるので、これが通用するかしないかはまあお任せである。

 一方で、平坂読に対して求めていた、軽快な構成であったり、キャラクターたちが織り成すとても楽しそうな雰囲気であったりは、非常に良く表現されていたと思う。その点に関しては、「僕は友達が少ない」や「妹さえいればいい」のようなこれまでの平坂読作品が面白いと思った人には特に問題ないだろう。

 今回に限っていえば、百合というものの解釈が自分と平坂読の間で解釈違いを起こしてしまっただけなので、次以降も継続して購入すると思います。

 

ノシ