泣き言 in ライトノベル

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冴えない彼女の育てかた egoistic lily~please apology~6

 その時の俺はきっと、どうかしていた。熱に浮かされたように一心不乱にパソコンのキーボードを叩いていた。自分が正しいと思い込んでしまった道を馬鹿みたいに駆け抜けていった。多分、今の俺は事情を知っている人間からすれば間違っているのだろう。

 長時間悩んだ結果がこれだ。もっと幸せな道はあるのに俺はそれを選ばなかった。ずっと悩んで正解にたどり着いて、自信満々に不正解を選んでいる。

 ひょっとしたらblessing softwareというサークルを立ち上げなかったほうがいいのではないかと思うくらいに俺は最低なことを考えていた。何で自分があんなことを言ったのか、その理由がわかった。そして英梨々と仲直りする方法も見つかった。そのために必要なことも。だけど、これ以外に方法はない。あいつが望む結末は俺にとってはこんな世界だ。

 だから、俺は地獄への旅支度を始める。

「もしもし、伊織? 悪いけど、明日までに準備して欲しいものがあるんだ」

第七話 第五話