泣き言 in ライトノベル

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とある飛空士への誓約9

 開始30Pほどで泣きそうになった

 7年9ヶ月

 それだけの時間が飛空士シリーズにかけられた時間らしい。随分と時間がかかっているなと思った。誓約だけでも3年2ヶ月もかかっていた。

「たとえ敵味方に分かれようと我々は憎み合うことはない。友情は永遠だ」……このありふれた美しい言葉から物語は紡がれました。追憶、恋歌、夜想曲、そして誓約。全ての物語が絡み合い、収斂されてようやくこの結末にたどり着きました。

 幸せだなと思いました。物語が進むにつれてページを読み進める手が止まらないと思いました。同時にああ、いやだなとも思いました。あと500P、あと300P、あと100P……あと1P。あと少しでこの物語が終わってしまう……終わって欲しくないのに終わりに向かって歩かざるをえない。

 とある飛空士への追憶から連なる物語は終了しました。海猫と魔犬の物語も、空に愛された少年と少女の物語も、終了を迎えました。

 ここに書くのは、読者としての感慨のみです。それ以外には何も書く必要はありません。なぜならば、物語を読んで欲しいからです。7年9ヶ月、17冊。その軌跡を辿って欲しいからです。

 読んでください。読者としてこの物語の側をずっと歩いてきたわけではありません。誓約の開始でようやく物語に追いついて、そこから後ろを見ながら、足跡を眺めながら誓約と共に歩んできました。今からでも遅くはないと思います。

 読んでください。一読者としてですが、最高の物語を保証します。