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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14

祝完結!

わたりんと言えば、人気ラノベ作家ブロガーだったのに、押しも押されぬ大先生になるとは到底思わなかったぜ……。

 まちがい続ける青春模様、シリーズ完結。

季節はまた春を迎えようとしていた。
同じ日々を繰り返しても、常に今日は新しい。悩み、答えに窮し、間違えを繰り返しても、常に飽きもせず問い直すしかない――新しい答えを知るために。
言葉にしなければ伝わらないのに、言葉では足りなくて。いつだって出した答えはまちがっていて、取り返しがつかないほど歪んでしまった関係は、どうしようもない偽物で。
――だからせめて、この模造品に、壊れるほどの傷をつけ、たった一つの本物に。故意にまちがう俺の青春を、終わらせるのだ――。
過ぎ去った季節と、これから来る新しい季節。
まちがい続ける物語が終わり……そしてきっとまだ青春は続いていく。シリーズ完結巻。

思えば、1巻を買った時は高校生だったんだなぁと思うと歳を取るのはおっそろしく早いなと思う訳です。いや、これは絶対に売れるとは思ったけど、まさか、ここまで人気が出るとは思わなかった。

やっぱりアニメの力って偉大だと思います。

話の展開としては概ねの予想通り、雪ノ下ルートさんへ。(ネタバレ防止のため反転しました? あんまり効果ない? これは気分でつけているのだ。実際に効果を発揮しているかは知らん)だから詰まらないというわけではなく、如何にしてその結論に辿りつくか、がむしろ重要であって、極端な話、もう一人の方へ行ってもなんら構わないわけです。

俺としては、あと一人の方でも全然良かったんだけど、まあ、それはないとして。いや、いいと思うんです。実際問題。

いい子だしね。

さて、俺ガイルがまだまだ「はまち」という略称を名乗っていた時代は、かなりの割合として渡航がブログをやっていた時代なのであるけれど、正直、かなり面白かった。まだまだ売れてはいたけど、爆発的な盛り上がりを見せていなかった時代、ガガガ大賞授賞式で渡航を知っている人が大抵「ブログ見てます!」と挨拶していた時代である。

今はもう、ブログ自体は削除されていて、魚拓やら何やらで残されているものを見るしかないけれど「俺ガイル」しか知らない人はぜひとも探してみて欲しい。

めっちゃ面白いから。

ブログ面白いラノベ作家は、渡航杉井光がいるからあと一人、二人見つけてめっちゃ格好いい漢字を並べてほしい。ちなみに杉井光も全然更新してない。けど、講談社ラノベ文庫からあの黎明期講談社ラノベ文庫を支えた「生徒会探偵キリカ」の新作が出るのでそこはめっちゃ期待してくれ。

さて、賢明な読者ならおわかりだと思うが、この巻の内容には全く触れていない。俺も人のことを言えないのだが、典型的な老害オタクに成り下がっている。特に想い出話に浸っている時点で。ドラマCDのオーディオドラマとかそういえば前のPCからサルベージしてないなとかね。

そもそも二人の関係性とか三人の関係性とか、そういうのは意識高い系の人に任せればいいのだ。そういう人は腐るほどいるだろう。妥当性はかけらもないが。

一個人としての意見としては、物語の終わりなんてものは往々にして、盛り下がる。まして、これほどの長編になってしまうと、最大の盛り上がりどころは、当の昔に過ぎ去っているわけだ。俺だって、この作品の一番面白かった巻を挙げるなら、この巻ではないことは明らかだ。多分、6巻か9巻を挙げると思う。

酷い言い方をしてしまえば、俺にとってこの作品はそこで終わってしまったのだ。それ以降も読んではいるけれど、記憶が朧気で、そういうところが何というか少し残念だなあと思ってしまうわけだ。勢いよく激しく燃えた熱量は、きっと俺の中の燃料を燃やし尽くしてしまったかのようだ。だから、こうして最終巻を読み終えた後、その期間は何もしていなかったのではなく、ひたすらに余韻を楽しんでいたのかもしれない。

映画を見た後のエンドロール、あるいは、すっかり弱まった焚火を見ているかのように。

俺は、一巻からずっとこの本を追い続けた人の一人で、きっと大勢とゴールテープを一緒に切ったと思う。けれど、この世界には、アニメの三期をきっかけに読み始めて、遥かに速いペースでゴールテープを切る人がいるだろう。

その中には、きっと俺が感じた熱量をそのままに走りきる人もきっといるはずだ。別段、俺の熱量が凄まじかった、という話ではない。ただ、自分が感じた熱量を、自分より遥かに圧縮した期間で楽しむというのは、どういう気持ちなのだろう、と思った次第だ。それだけはもう、俺が味わうことのできない楽しみ方だから。

 

ノシ