泣き言 in ライトノベル

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それでも異能兵器はラブコメがしたい

こういうシェアすき 

“異能兵器”である彼女の願いは、ラブコメのような学園生活!?

俺・辰巳千樫は、クラスメートの市ヶ谷すずが好きだ。ラブコメに憧れる、引っ込み思案な不思議系女子。
そんなかわいい彼女との、待ちに待ったデート当日――この関係は始まった。
突然ビルは崩れ、降り注ぐ銃弾の中で、無傷のままの少女。
「……怖がらせてごめんね。私は、異能兵器だよ」
すずを狙ったテロに巻き込まれ死んだ俺は、復興庁終末局によって生き返り、“異能兵器(カノジョ)”が願う“ラブコメのような学園生活”を演出する《お友だち係》に任命され!? 

たとえ何度死んでも、世界を敵に回しても――大好きなこの子とデートする。
新世代学園アクションラブコメ、開幕!!

かりゆしブルーブルーの要素があるの本当にしゅき。いや、ちびっとしかわからなかったけど、それでも好きなんです。さて、というのは置いておき、わりと楽しく読むことができた。とはいえ、絶賛するほどではなかった。

僕はある程度カミツキレイニーという作家のことを信頼しているし、実際デビュー作とかとても好きだし、かりゆしブルーブルーとか滅茶苦茶好きなのだ。

しかし、優れた作家が常に優れた作品を生み出すわけではないという事実も同時に知っている。少なくともキャラ見せに終始したこの巻を読んでラノベの神様(いるのか?)に胸を張って神作です! とは言えない。それはいうなれば機微の問題で、こう、揺さぶられたとは言えない。

本作は異能兵器と呼ばれる少女が、ラブコメをしたいという希望のために色々頑張ったりするお話です。キモとしては、世界が、異能兵器とい存在を単なる人間として認めてはくれないということだろう。人を、ましてや月を半壊させる力を持つ人が「傷つけません」と言ったところで説得力は生まれたりしない。

人類の発展のために、というお題目の前にそんな言い訳も許されないのかもしれない。それでも、そんな彼女たちが普通に生きようとする姿はとても眩しい。

故に凡作ではない。良作、佳作ですらあるだろう。

だが、決して神作ではない。僕が読んだのはありふれたテーマとありふれた設定の作品だからだ。

ノシ