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86-エイティシックス- Ep.2 ラン・スルー・ザ・バトルフロント<上>

たとえばの話、物語を評価する上での軸とか項目は複数あると思います。

感動したとか、熱いとか、ドキドキしたとか、伏線の回収が凄いとか。その点、今回においてはそこまで感動したわけでもないし、熱いわけでもないし、ドキドキさせられるほどもなく、伏線の回収に舌を巻いたわけでもない。

ただ、それでも今回も良かったと言わざるを得ません。

前回は彼らのひたむきさとか、真っ直ぐさとか揺るがなさみたいなものがクローズアップされていた。けど、それはあくまであの劣悪を極める環境と対比されることによってそうであることがわかったんだなあと思いました。今回は逆に彼らの異常さがクローズアップされており、個人的にはそれがひたすら辛かった。

よく、異常な環境に適応する人間がいざ平和に戻ると戸惑ってしまうシーンがあるけど、あれって適応したならそれだけでいいけど、それが続くと壊れてしまうんだなって思った。だからこそ、彼らは再び地獄に足を運ぶんだなって。

走り抜けた奴らのために、自分たちが立ち止まるわけにはいかないっていう彼らの言葉はここまで来ていてそんわけないだろうっていう周りとの評価とは全然違う、乖離している。だからこそ、それは異常で彼らの格好良さなんだと思う。

「それに、……先に行きますとか言っておいて、もし追いつかれたりしたら恰好悪いよな」

今回で一番好きな台詞です。

ノシ