泣き言 in ライトノベル

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アオイハルノスベテ5

完結したことで色々言おうと思います。

基本文句ばかりになるのですが、庵田定夏という作家のいいところがあんまりにも出なかった作品だと思います。

前作ココロコネクトで僕が庵田定夏という作家を好きになれたのは不思議な能力の発現、それによる普通に生活していたらぶつかり合わないような部分が表に出て、ぶつかって、苦しんでしまう……という部分です。

そして、その息苦しい世界から一歩踏み出すことにより解決して、現実を取り戻したとき、より良い世界になっている、というカタルシスだと思っています。

けれど、今作は能力が出てくるとしても現実を変えることはありません。その干渉範囲はごくごく限定的です。そしてその能力が主人公たちがかかえる何かを無遠慮にむき出しにすることも、ありません。別段、変えなかったということは確かにありません。

ですが、前作に比べて、あんまりにも添え物になりすぎていたと思います。

加えて文句を言うとすれば、恋愛描写の不出来さです。向き合うべきときを迎えたの解決によって恋人関係になるまでは良くても、なってからが自分の心に刺さらなかった。

前作の稲葉に関しても、デレばんは最初こそよかったものの、あとからはくどいというふうに感じてしまったのです。

というわけで色々あるわけでも、それでも庵田定夏には僕は期待してしまうので、次回作を楽しみに待つこととしましょう。

ノシ