泣き言 in ライトノベル

ライトノベルの感想を真面目に不真面目に書きなぐるサイト

りゅうおうのおしごと8

大事なことは、気持ちのぶつかり合いだと思います。

山城桜花戦開幕! 秘手繚乱の第8巻! ! 

「そうだ。京都へ行こう」
順位戦が終わり、プロ棋界は春休みに突入した。八一はあいを伴って
京都を訪れるが、しかしそれはデートでも慰安旅行でもなかった。
『山城桜花戦』――女流六大タイトルの一冠を巡る戦いを見守るため。
挑戦者の月夜見坂燎と、タイトル保持者の供御飯万智。
「殺してでも奪い取る」
「……こなたはずっと、お燎の下なんどす」
親友同士の二人が激突する時――八一とあいは女流棋士の葛藤と切なさを知る。
春の京都を舞台に、華よりもなお華やかな戦いが繰り広げられる秘手繚乱の第8巻! 

敢えて、こういう表現をしますが、バトルストーリーはインフレとの闘いであると考えています。敵が強くなって、その強い敵に勝つ。ありふれた展開ではありますが、それゆえに人の心を強く打つのではないかと思います。

勝負は時の運、と考えるのは非常に簡単ですが、実際に読者はそう思わない可能性だってあります。だから、作品で一度勝ち負けがついてしまうと、それはなかなか拭い去ることができないものになってしまうと考えてしまいます。

この作品は、それをうまく対処できていると思います。将棋は知力を重視しているからこそ、その思考を赤裸々に描くことで、その想いのぶつかり合いを描くことができるからこそ、この作品は変わらない熱さを維持できるし、決してインフレしていかないのだと思います。

棋力は、確かに固定されがちでしょう、しかし、気持ちには限りがない。どこまでも高みへと昇り続けようとする営み、それこそが棋力の差を埋める一要素であり、物語の魅力となると思います。

さて、8巻ですが、女流タイトル戦ですね。一言言わせてください、供御飯万智超絶可愛いんですが、彼女を拉致しないなんて八一はインポであると言わざるを得ないでしょう。これは明白です。