泣き言 in ライトノベル

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妹さえいればいい9

言っちゃった♡

「お兄ちゃん!!」 

相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が続々と刊行された。那由多に憧れる笠松青葉もどうにかデビューを果たすのだが、待っていたのは酷評の嵐だった。伊月はそんな彼女の姿に自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかける。一方、いよいよ放送が近づいてきた『妹のすべて』のアニメ制作ではさらなるトラブルが相次ぎ、京はいよいよ就職活動が始まり、千尋の前にもお掃除ロボットではなくちゃんと人間のライバルが登場する。大人気青春ラブコメ群像劇、妹がいっぱいの第9弾登場!!

言っちゃった♡

全巻を通して「さて、この爆弾はいつ爆発するのかな?」と思い続けていた爆弾がとうとう爆発。まあ、展開としての持っていき方はとてもオーソドックスで、ある意味、それはそうだという展開になっている。

しかし、こう、何というか、ライトノベル特有の軽さが、どことなく、合わないなと感じられるようになってしまった。

何というか、平坂読の作品はあまりにもライトノベルらしすぎる。これは、誉め言葉であり、貶している言葉でもある。ライトノベルの主なメインターゲットは中高生。その彼らにウケる文章である。一方で、俺たちのような面倒臭いタイプからは中身がないとか叩かれる要素なのである。

はがない以降、露骨にストレス要因を排除しつつ、話の伏部を抑え、キャラの可愛さを強調する路線を取っているような気がする。

もちろん、関ヶ原幽のようにシリアスな話が書けないわけではないけれど、すでにそういう世界観が構築されている「妹さえいればいい」の世界観では異質となり、没入を妨げているのではないだろうか?

確かに、つまらなくはない。むしろ、面白いと言ってもいいけれど、ヘリウムガスが詰め込まれた風船のようにどこかに飛んで行ってしまう、そんな物語のように俺の目には映る。

さて、これからどうなっていくのでしょうか? 物語として大きく動き出していくであろう次巻、狙ったのだろうか、区切りの10巻を楽しみにしたいとする。

ノシ